禁煙2ヶ月
善意はいい結果だけをもたらさず、自らに牙を向くこともある
ピンチは突然に
禁煙して1ヶ月半が経った頃、仕事と育児に追われていた私はほとんど「タバコを吸いたいな」と思うことすらありませんでした。
タバコを想起するようなものを避けるように歩き、ほどよく育児や仕事、新たに始めた趣味の読書やお金の勉強などでうまく時間が使えていたためです。
そんなこんなで順調に迎えた年末、会社で大掃除がありました。
デスク周りや私の座席がある島の共用部の掃除をしていました。
自分の担当範囲が落ち着いた頃に
「あのー、ちょっと手伝ってもらえませんか?」
喫煙所でよく話していた同じ部署の方でした。
喫煙所に行かなくなったことによってすっかり話す機会がなくなったものの、たまーにお話をさせていただいていました。
「いいですよ!どこの掃除ですか?」
快諾すると、
「喫煙所の掃除を手伝って欲しいです!」
(あぁ、そこが残っていたか。今年はお世話になったし、お別れの意味でも最後に掃除するか!)
そう思って今までお世話になったお礼をしに行きました。
それが地獄の始まりだとは知らずに…
とっても楽しい喫煙所掃除…
掃除用具を用意して喫煙所に辿り着きました。
慣れ親しんだ喫煙所は以前とは少し違う雰囲気のように感じました。
早速、木目のような壁紙の壁や真ん中にどっしり構えている煙を吸い取る機械の外側へ泡を吹き掛け、真っ白な雑巾でふき始めました。
白かった雑巾が瞬く間に茶色く変わっていきます。
タバコって本当にこういった汚れに変換されていくんだな、と改めて実感します。
もう1人合流して、3人で黙々と綺麗にしていきます。
すると、2人がおもむろにタバコを吸い始めました。
「年末の大掃除しながら吸うタバコが最高なんだよね〜」
わかる、とても。
綺麗になった空間で吸うタバコは最高だ。
そう考えた途端、今までなんとか堰き止めていたダムが一瞬にして決壊しそうになりました。
「私も一本ください!」
そう言うだけで私は今すぐにでもタバコを吸えます。
会社での出来事だから妻にはそうそうバレない。
喫煙所掃除を手伝ったことだけ正直に話せば匂いが残ってもどうにでもなる。
一本くらい吸ってもここまで続いたのだから、なんでもない日常がまた続くだけ。
決壊しそうになるその一瞬でさまざまな言い訳が頭の中を巡りました。
引き止めてくれたのは、辛かった日々
しかし、やっぱり最後に思い浮かぶのは離脱症状で情けなく地面にへこたれる自分と、それを不安そうに見つめる妻と子供たちの姿でした。
この時期にはもうすでに、あの光景はなかなかのトラウマとなって禁煙を手助けしてくれていました。
なんとか喫煙所の掃除を終えた私は、掃除を誘ってくれた人に言いました。
「危うく禁煙がダメになるところでした!笑」
するとその人は
「ですよね!誘っておきながら、途中からなかなか酷なことをしたなと思っていました!」
いや、思っていたのなら途中からでも止めてくださいよ笑
そんなこんなで私はなんとかまだまだ禁煙を継続しています。